原作では「結局この皆で海に行く事はありませんでした、でも思い
描いた光景は今でも胸の中で輝いています」みたいな描写があった
のに、いきなり皆で海に行く展開にビビる。でもハチクロのキャラ
が人間として動いているのを見るだけで、もうなんつぅかもうね。
マンガの読んだ時の甘酸っぱい感情がよみがえってきてもうね。
はぐ、蒼井優という女優がキャラ立ちすぎてるからどうかなあと
思ってたけど、凄く良かった。恐らくその理由は、あまり喋らな
かったことだと思う。
竹本くん、なるほど実写だとこうなのかと納得の出来映え。城マニ
ア、ハグに城トークを延々と語る。部屋にはパソコンに城のプラモ
にガンプラ。それに「デザインの現場」が、そういえば実写映画で
は自分の学部にいる事がほとんど無かったが、建築科でいいんだっけ?
真山、もうストーカーっぷりがドンびき。しかし理花さんも普通の
オバサんっぽくて、そこまで真山が熱を上げる感じもしないのだが。
山田、真山へのストーカーっぷりに萌え。本当に原作のそのまま出
てきてくれたようで素晴らしい。挙動不振っぷり、鬱っぷり、傍若
無人ぷり、現在最高峰の山田であろう。ビバ山田。ビバ関めぐみ。
踵落としが見れないのが残念ではある。
森田、なんなのこれ?役者(伊勢谷友介)のキャラが立ちすぎて世
界観をぶち壊し。0点。
木の彫像、なんとなく「竹本の青春の塔」の代わりに壊されるよう
な印象と最初から受けるが、燃やすのは怖いです、せめてギャラ
リーの外で燃やしてください。
実際に描かれる絵、そんなに心動かされる物はなかったけど、旅館
で描いた醤油画は凄く良かった。あとハグと森田で一緒に描いた絵
も存外に良かった。
毬男&類二の藤原兄弟まで、わりと原作に忠実な格好で出てく
るとは(設定は違う)、さらにはニャンざぶろうの着ぐるみまで、
素晴らしい完成度の着ぐるみ。
花本先生、いつもにこやかで、タバコを吹かしていて。一番安心し
て見ていられた。そういえば実写版映画の制作時は連載途中で、ま
だ完結してなかったような。自分探しのエピソードの頃かな、その
ころを感じさせる修復士/中村獅童がいい味を出してました。
花本先生の家、原作ではマンションだったが、映画では古めかしい
広い日本家屋。これも凄く良かった、最初から花本先生はそこに住
んでいたかのような感慨。
東京の藝大/美大は、あんなに廊下にも人があふれているのかな
あ、などとド田舎の某造形大卒の私は思ったり、それでも微妙に懐
かしく思ったり。それでも(デザイン科の私が言うのもなんだが)
芸術に対してステレオタイプな印象も受けたり。マンガと違って場
面を描かないと成り立たない映画では、大学の色々な事を思い出し
たりもします。
連載途中の映画化だったと思うんで、色んなエピソードが時間軸を
問わずに散りばめられていて、そう来るか?と思う事も、なるほど
そう来たか!と思う事もありました。出来ればメインテーマである
「クローバー」をもう少し膨らませて欲しかった程度でしょうか、
原作とは違っても全然良いので。
でも一本の映画としてもしっかりできてるし、ハチクロの世界観を
別の次元で成り立たせると思う。ハチクロフォーエバー。
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