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劇団維新派の野外公演「台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき」を見に瀬戸内海の犬島へ。
(行ったのは七月末、既に犬島公演は終了。12月には屋内公演ですが埼玉公演がある模様)
私が犬島を訪れるのは、同じく維新派公演「カンカラ(2002年7月)」以来です。当時は製錬所跡だけの地味な小島でしたが、8年の間にアートの島へと変貌を遂げつつあります。かなり整備されて当時の風景を思い出せないくらい。
充実した屋台村を堪能しながら、夕暮れと公演を待つ。舞台入り口には結構長い橋が作られていた。せっかくなので渡って入場するも、微妙なスリルが。。
<彼>と旅をする20世紀三部作、第一部南米篇「nostalgia」、第二部東欧篇「呼吸機械」、第三部アジア篇「台湾の灰色の牛が背のびをしたとき」の完結編と言う位置づけ。しかし毎夏ごとの公演なので、一つ一つの公演が忘却の彼方に近づきつつもあり、三部作というのを完全に理解するのは難しいかも。むしろ此処からさらに物語が続いて行くような発展性すら感じられて。
公演全体の印象としては、今までにないくらい分かりやすいような気が。今どこにいるのか、役者が宣言してくれたりしてましたし。動きとか台詞や舞台美術、全体の構造も非常に上質であったと思います。
それともって全く矛盾する事ですが、安心して見てられてそれが逆に物足りないと言うか。知らない場所に行って、色んなものと格闘して出来上がった舞台とは異なる違和感を感じたといいますか、8年前とはいえ、この場所で彼らは舞台を作って公演して、我々はそれを見ているというのは影響してるのかなあという気がしました。
瀬戸内国際芸術祭の招待作品的な扱いなんですかね。良い公演だったと思うんですけど、これに起因する違和感はいくつかありました。
JTBが強い影響力を持ってるらしく、チケットの購入と島への高速船のチケットを同時に、しかもJTBのしきりで買わされました。しかも船は微妙に高かった。。夜にかかる公演なので、迅速に本土に送り返すのは止む無しかもしれませんが、大イベントだと色んな利権が絡むのかあと思ったり。
しかも購入の際、観覧チケットと船のチケットは、JTB内の別のサイトで買えと。なんで一括で処理できないのか理解できない。
また、必ずしもこの場所でなくとも成り立つ公演かもしれないな、と思いました。今までの野外公演って、公演する場所の論理やらが色濃く織り込まれてるように感じましたが。今公演はそれがちょっと薄かったような気が。
なんか色々ネガティブな事を書いてしまいましたが、公演自体はとても楽しめました。犬島の新たな風景も色々見れましたし。でもやはり、野外の公演であるなら、我々観客が見た事の無い場所に連れてって欲しいです。
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