インダストリアルデザイナー山中俊治さんのブログを読ませていただいて、興味を持ったドイツ製万年筆LAMY社製サファリ。
最初に手にした時の印象は「万年筆としては恐ろしく軽い、重厚感とか皆無。しかも手触りとか質感とか極めて普通、万年筆というのは所有する喜びも呼び起こすものであるべきでは?」といったものだが、使い込んで行くうちに色々なことが分かってきた。表面的な高級感のある質感とか重さとかは、筆記具としての書き心地とは全く関係ないと言うことに。
一般的な樹脂を使用しながら、ここまで優れた筆記具に昇華させた造形は、これこそがプロダクトデザインと語りかけてくるようです。素材や装飾も重要かもしれませんが、形を司ることがプロダクトデザインに課せられた使命だと。
http://lleedd.com/blog/2010/09/23/lamy_safari/
グリップの二つのへこみがペン先を正しい向きに保持させるためにある事、インクの残りを確認する長円の窓が、筆記中に上に向くようにネジの終端が調整されている事、しっかりしたクリップが一本の金属棒を曲げて作られている事、キャップエンドの魅力的な十字が組み立て用ネジの頭である事。形のひとつひとつに意味を発見するたびに感銘を受けました。
太さはEF(細い)、F(普通)、M(太い)の三種。Mだと文字を書くにはちょっと太いです、ドローイングとかには良いかも。普通に書くならまずはEFをお勧めします。これはローマ字/数字/記号だけの欧文圏内の筆記と、漢字/ひらがな/カタカナなども使われる日本語圏内では、当然文字の密度が異なると言うことを示唆しているのでしょうね。
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