http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009062301000086.html 米写真用品大手イーストマン・コダックは22日、長年にわたって写真愛好家に親しまれたポジフィルム「コダクローム」の生産を終了すると発表した。 1935年に発売、耐変色性などに優れることから芸術性の高い作品向けにプロカメラマンが愛用。カラーフィルムとして世界で初めて商業的に成功した。また主にスライド用途で一般家庭向けにも日本を含む世界で人気となった。 最近はデジタルカメラの普及に押されフィルム全体の販売が急減。フィルム全体の売上高の中でコダクロームは1%にも満たず低迷していた。現像方法が特殊で、コストがかさんだ。 現像方法が異なるポジフィルム「エリートクローム」シリーズの取り扱いは継続する。 コダックは日本でのコダクロームの販売を2007年に終了。ネガフィルムやレンズ付きフィルムは販売を続けている。 コダクローム64(KR/PKR)には大学時代にお世話になりました。濃厚な色合いは本当に濃厚で、外式独特の色合いでしたねえ。日本の風景で言うと紅葉とかにマッチしてました。富士フィルムはベルビアなどの高彩度色調を基本としており、まさに東西の雄といった感じであり、時代でした。 もちろん消え去る事に対しては色んな思いがありますけど、フィルムからデジタルへの移行への最前線にいる世代としては、何か言う事は憚られますねえ。それが正しいのかどうかはともかく。ただ偉大なフィルムであった事だけは伝えたいと思います。 話は変わって1924年、エベレストへの初登頂を目指したジョージ・マロリーとアンドリュー・アーヴィンは遭難し、最高峰の初登頂者が誰であったのかは登山界最大のミステリーとして残された。 彼は登頂時に必ず写真を撮っている事から、このマロリーフィルムが見つかれば「彼は果たしてエベレストに登頂したのか?」の謎が解けることになる。 マロリーの遺体は後に発見され、荼毘に付されたが、コダックのカメラ(Vest Pocket Model B)は結局見つからなかった。 コダックの専門家は、カメラがフィルム入りで発見されれば、そのフィルムが白黒であり、急速冷凍されていることから、それを修復して、現像できる可能性が高いと述べている。 白黒フィルムであれば、仮に今後100年200年以後にマロリーフィルムが発見されたとしても現像は可能かもしれない。工業的にあまり作られていない薬品が必要になってもなんとか再生産できるはず。 それはそれとして、もの凄い勢いで進化して行く中では、ロストテクノロジーは簡単に起こりうるということのが重要。 あっとゆうまに消えたから需要はあんまり無いだろうけど、HD-DVDが再生可能なドライブは数年で消え去るかもしれない。そういう意味ではCDって同径で上位互換でDVDが出てきて殆どのパソコンに搭載されてて、今後もしばらくは生き残りそうなメディアだ。 写真だって二次元上の画素的な情報を記録する媒体があれば、それはなんでも良いのだろうけど、それがあっと言う間に変わってしまった、良いとか悪いとかでなく。未来永劫に残すような情報は決して多くはないだろうけど、それ以前に未来永劫残ると思うフォーマットは存在しないだろうな、という事実。
Black design