アップルが新製品を発表する際には、色々な噂が出回る。胡散臭くネタっぽいものから、信憑性が高そうなものまで。リークっぽい情報が出たとしても、アップル本社のコントロール下におかれているような安定した「噂」だ。マニアックなコンピュータであった頃から、世界中から注目を集める現代になっても。それがあるから我々は安心して発表会を待ち、新製品を楽しみにしてきたとも言える。2011年の8月までは。
そして先日のiPhone4S発表の時、その情報管理の適当さに吃驚した。アップル公式や携帯キャリアなどから、ミスとしか思えない情報の漏れがいくつかあった。漏れたと言う事実よりも「美しくない所作」に腹が立った。
ジョブズがアップル社のCEOを退いたのは8月24日だが、本当にアップル社が変わってしまったと実感したのは、そのiPhone4S騒動の時だ。ここまで築いてきたアップル社の美学が、一人の男がCEOという地位から去った事で、箍が緩んでしまったような寂しさを感じた。
そして10月5日、スティーブ・ジョブズ死去。
心よりご冥福をお祈りします。
もちろん私はジョブズに会った事も面識も、広い会場で基調講演を聞いた事すら無い。それでも親しい人を無くしたような悲しみを感じている。そしてそれは世界中の膨大な人々が、いま感じている事だ。
全てではないけれど、アップルの製品はジョブズの意向を受けて作られたものだ。最近の商品は特にジョブズの影響を受けている。彼の美学と哲学で創られた物と言ってもいい。OSからインターフェイス、プロダクトデザインにパッケージング、説明書の順番から世界中のアップルストアのインテリアまで。
毎日の業務で使うアップルのコンピュータ、音楽を聴くiPod、コミュニケーションツールのiPhone/ipodTouch。日々の暮らしの中、今やありふれたツールを使う事で、我々はジョブズの美意識を受け止めてきたんだと思う。それで、世界中の人々が悲しみを感じているのだと思う。
以前iPadのiOSをアップデートしたとき、横のスライドスイッチの機能が「画面の向きをロック」から「消音」に変わっていて、その時は閉口した。。使い馴れた機能を何故変えるのか?ということに。それと同時に、過去に(アップル社の)自分たちが設定したことですら、これからのユーザーにとって使い易いもの/機能的なもの/正しいものであれば、躊躇無く変更するんだな、とも思った。
後に設定でロック/消音が選べるようになったので、この決定がどういう意味を持つのかは良く分からない。ただ「Think different」があらゆるものに、過去の自分たちにまで適用したんだなと思った。ジョブズは、信念を貫けた人だと思う。
8月24日のCEO退任のニュースが流れたとき、アップルの株価は大きく下落した。そりゃそうだ、もし私も株を所有してたら躊躇無く売る。全ての決定権とその資格を持つジョブズが引っ張ってきたアップル社。そのカリスマが消えた会社がどうなるのか。
だからこそ、アップルの社員に奮起して欲しいとも思う。
魅力の無い商品を出したら、世界中のファンから叩かれるだろう。ジョブズが株式時価総額を世界最高額に育てた会社だ、株主の圧力だって想像を絶するだろう。そして巨大すぎるカリスマの重圧。
困難な道だと思う。ベンチャーで0からスタートした方がましかもしれない。それであっても、これからも「アップルらしい商品」を出して欲しいと切に願う。
クレージーな人たちがいる。
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
四角い穴に丸い杭を打ち込むように
物事をまるで違う目で見る人たち
彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。
彼らの言葉に心をうたれる人がいる。
反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。
しかし、彼らを無視することは、誰にも出来ない。
なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。
彼らは人間を前進させた。
彼らはクレージーと言われるが
私たちは彼らを天才だと思う。
自分が世界を変えられると
本気で信じる人たちこそが
本当に世界を変えているのだから
Think different.
Here's to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers. The round pegs in the square holes. The ones who see things differently. They're not fond of rules. And they have no respect for the status quo. You can quote them, disagree with them, glorify or vilify them. About the only thing you can't do is ignore them. Because they change things. They push the human race forward. And while some may see them as the crazy ones, we see genius. Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do. - Apple Inc.