2011年6月4日土曜日

涼宮ハルヒの驚愕

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私が「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズの文庫の既刊9冊(憂鬱、溜息、退屈、消失、暴走、動揺、陰謀、憤慨、分裂)を読み終えたのが2009年の夏頃。おりしもエンドレスエイトが真っ盛りの夏。

当時の既刊最終巻「涼宮ハルヒの分裂」が一冊で完結しなかったのには吃驚したが(2冊に渡るのはハルヒシリーズ初)早く続きが読みたいと思い、次巻に予定されていた「涼宮ハルヒの分裂」発売日をネットで検索してみたら、当時から約2年前の『2007年6月1日』が予定されていて驚愕した。。

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盛大に遅れた理由は色んな説があるけど、それはもういい。「分裂」も眼の前が真っ暗になるような終わりかたで、さらには次巻の発売の目処が全く立ってないことに唖然とした覚えがあります。

その後、ザ・スニーカー2010年6月号に一部先行掲載されたけど、今からすると「何故ここだけ抽出したの?」と思うようなどうでも良い部分だったので、期待はどんどん薄れて行くばかり。ここで発表した「2010年内発売」も「2010[年度]内発売」すら守れず、やっと2011年5月25日に発売。当初の期待もどんどん薄れたけど、ちゃんと読み終わらせたいので購入。結論から言うと、予想は色々と覆させられてしまい、とても面白かった。

(以下、涼宮ハルヒの驚愕の内容を含む)

終盤は「無理にふたを閉じにかかった」ような描写に思えるとこもあったけど(それも伏線となり、いつかどこかに通じてる可能性もあるけど)本当に面白かった。世界の定義がさらっと一変するようなハルヒの世界が戻ってきた感じ。

一度読み終わった後に、もう一度最初から読まないと理解できないだろうと思われる構造であったけど、果たしてその通りで。三冊を最初から再読しましょう、「分裂」を読むのは2年ぶりになるな。

のいぢの絵、カラーはともかくモノクロ絵の方がなんか安定してない。最後の最後まで話が決まらず、もの凄い短時間で描いたのかな?

「驚愕」が既刊と一番異なる点は、長門の影が薄いこと。今までは長門がいなかったら話が立ち行かないものばかりだったので、ちょっと新鮮で残念。もちろん見えないところで色々と動いていたのだろうけど。
それに変わって大きく動いたのが古泉と朝比奈さん(大)。敵か見方か分からないこの二人が顔を合わせたのも初めてかな。

読んでる最中は「アニメ化は不可」と思ってたけど、読み終えた今は「不可能ではないかな」とも思える。時間が一つに収束されていくスペクタクルな流れが、映像でどのように表現できるか期待したい。とはいえ九曜の表情の描写とかは映像化は困難かも。
佐々木がどんな風にしゃべるのかは興味深いし、ヤスミは鬼かわいい。渡橋泰水の正体には愕然としたけど、今から思えばお茶を出す順番がヒントだったのかな。

でも原作でまだアニメ化してないのは、暴走、動揺、陰謀、憤慨か。分裂/驚愕が映像化されるとしても相当先になりそうです。

あとがきには谷川流氏の、大幅に遅れた事に対する平謝りのコメントが。でもとりあえず分裂/驚愕編が完結してくれて良かったですよ。昔の水戸黄門は前後編に分けて2週に渡り放送してたらしいが、お年寄りの方々の「来週までにお迎えが来るかもしらんので、毎週完結してください」という切実な抗議があって、一週完結になったそうな。ハルヒはまだまだ続くと思うけど、とりあえず大きな山は越えました。アニメの方も「消失」で完了するというのも正しい選択肢ではあると思うし。
最後に本編中に古泉の台詞を書いておきましょう「穏やかではありませんね。読書はもっと鷹揚な心持ちで楽しむべきです。たとえどんな駄作でも、きっと後の糧となりますよ。優れた教師は反面教師、という格言もあることですし」(この格言はありません)

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